写真は、開発スタート当初のオービトロンスパイラルです。
昨年の春に開発が始まりましたが、形状や取り付け方法の工夫を繰り返してきました。
少しずつ形にしながら、素材も更に検討し、同時に試験を重ねました。
もうすぐ1年になります。
ようやく製品化の目処が立ってきました。
オービトロンスパイラルは、ブローバイホースやラジエターホースなどに巻くタイプのチューニングパーツです。
それによって、エンジンで発生しているフリクションを低減します。
エンジンクランクの内圧が解放され、まるでピストンが動くときの圧力による抵抗がなくなったかのようです。
ブローバイホースで同様の効果を出す製品はありますが、大きな違いは、メンテナンスの必要が全く必要ないところです。
このしなやかな金属板がどれほどの効果があるのか。
それを体験できる時は、もう間もなく訪れます。
http://www.landmaster-japan.co.jp
月: 2017年1月
「MOTO-RIDE」で記事になりました!
当社が製造・販売するオービトロン製品が、バイクブロスのWEBマガジン「MOTO-RIDE」で記事になりました。
http://www.bikebros.co.jp/vb/sports/sfeat/s-landmasterjapan-01/
取材は昨年末にオービトロン製品を扱って頂いているスクーデリアオクムラで行われました。
当日は奥村裕社長、そして当社がサポートするJSB1000に参戦している中冨伸一選手に参加していただきました。
このときに取材された内容の記事は、2月と3月にも掲載されます。
第三世代パワーモジュールの開発開始
第三世代のパワーモジュールの開発が始まりました。
エネルギーの発生量は変わりませんが、構造の見直しによって、同じ筐体でコア枚数を増やすことが可能になります。
軽量小型化ができること、あるいは同じサイズであればより能力が大きくなると言うことになります。
また、今回は新しい素材との取り組みも検討中ですが、作業性を考えると期間や数量を限定しての製造ということになりそうです。
テストレベルでは従来のRED COREを超越した性能を出しています。
パワーモジュールの効果
オービトロンの開発をしていて気が付いたことがあります。
アクセルをOFFにして感じる減速効果の変化です。
減速するのは単純にエンジンブレーキだと思っていました。
オービトロンを車両に装着すると、前に進む力だけでは無く、エンジンブレーキが緩和されて減速効果が少なくなります。
つまり、アクセルをONにするとフリクションに勝って前進し、アクセルをOFFにするとフリクションに負けて減速することになります。
写真のパワーモジュールX12Rの6倍の能力を持つパワーモジュールを製作し、テスト用のYAMAHA YZF-R1に装着しました。
ストレートで減速するだけならば、何も問題はありません。
しかし、ストレートからコーナーに入っていくような最高速域からの急減速では、状況が異なります。
通常は急激なバックトルクがかかるために、コーナーアプローチの車体制御が難しくなり、アクセルを戻せない状態になります。
そのため、アクセル全閉の状態でもインジェクターからは燃料が噴射されています。
この領域ではバックトルクを制御するシステムでも対応しきれません。
ところがこの試作品では、スロットルマップがゼロの状態(全く燃料噴射を行わない)にしても、アクセル全閉が可能になりました。
この効果はHybrid車や電気自動車などのモーターで駆動する車両でも有効です。
オービトロン パワーモジュールはここにも活用の場を見つけました。
電気自動車でテストしたところ、アクセルをOFFにして回生ブレーキを使って減速する場合、指定した位置では停止することができません。
フットブレーキを使う必要が出てきました。
これは、フリクションの低下によって減速効果が減ったためと考えられます。
回生ブレーキのパラメータを変更し、より強く回生させることにより、減速効果は得られるようになります。
つまりアクセルオフの際の回生量をより増やすことが可能になるのです。
特に電気自動車で走行距離を伸ばす鍵は、蓄電池の高効率化と回生量をどのようにに増やしていくかです。
オービトロンは、電気自動車の未来に向けても開発を進めていかなくてはなりません。
タイヤ用エアバルブキャップの開発
今年の発売予定のオービトロン商品の中にタイヤ用エアバルブキャップがあり、現在のところ開発中です。
いくつかの試作品を作って実験していますが、素材の違いによって性能が大きく変わります。
自動車やオートバイよりも先行して体感しやすい自転車でテストを繰り返していますが、このようなご評価も頂いています。
今日は年明け初の休みでしたので三浦一周して来ました。
バイクは久しぶりにカーボンモノコックでライドです。
此方のホイールにはシルバー色のキャップを装着しましたが、ちょっとびっくりです。
このホイールは元々高速巡行の良いホイールなのですが、「こんなに回ったか?」っと云うのが最初の感覚でした。
何かホイールにもっと回せと言われているような感じで、帰宅した時には足が痙攣寸前でした。
此方も引き続き検証していきます。本日の走行距離は98キロでした。
—
この感覚は素材によって大きく異なります。
初めに考えていた素材では、わずかに感じる程度でほとんど効果が出ませんでした。
自転車でのこの感覚は、動力付きの自動車やオートバイでも同様に効果を発揮すると考えられます。
また自転車でのインプレッションから考えると、人の力で動かす車両に活用が期待されます。
特に車いすの運用では大きな効果を発揮するのでは無いかと考えています。
早期に販売が実現するよう、今後も開発を続けていきます。
スーパークーラント PRO-SPEC
オービトロン スーパークーラントは、冷却経路を通じてラジエターやエンジン内部で発生する静電気を中和・除去します。
これによって冷却風やエンジン内部のフリクションを減少させる仕組みを持っています。
冷却水温度の低下や安定に効果があるのはもちろんですが、エンジンのフリクション低減効果も感じて頂けます。
当社がレース用に開発をしているPRO-SPECは、レースシーンにおいてどのような効果があるか、昨年から開発をしている製品です。
コースを使った7月のテストでは、朝1番の走行試験で通常の冷却水を使い、お昼前の走行でPRO-SPECを使用しました。
朝1番のテストでデータロガーに表示された冷却水水温を、気温が上昇したお昼前の走行は5度下げることに成功し、その水温はぴったりと安定していました。
暖かくなる4月以降、テストを再開する予定です。
オービトロンの進化
オービトロンは、日々進化し続けている製品です。
たとえば新しい素材が見つかったり、新しい触媒が見つかったり、エネルギーを発生させるシステムに手を加えたり。
ガラッと外観が変わる場合はモデルチェンジになりますが、外観の変更が無い場合はバージョンアップとしていて、特にアナウンスはしていません。
ただし私たちが見たときにどのバージョンかわかるようになっています。
オービトロン製品の中でも進化の途上にある製品がパワーモジュールになります。
開発が進むにつれ初期の製品から製造コストは上がっていきますが、価格も名称もそのままにしています。
大きな変更になる場合は、販売価格も変更することになるかも知れません。
現在のところ、製品はいくつかの企業にOEMで出荷されています。
こちらは採用の段階で性能のチェックをしていますので、当社で勝手に性能の変更をするわけにはいきません。
難しいところですね。
メーカーとしては、製品が完成してもそれで満足すると言うことはありません。
完成したあとも製品のチェックをし、もっと品質や性能を上げられないか、常に努力をしています。
それは、後になって私たちに返ってくるものと思っています。
開発中の製品
開発中のオービトロンの新製品は、フィルム状です。
車体の内側にこの特殊なフィルムを貼ることで、車体の静電気を中和します。
これによって空気抵抗を軽減することが可能になります。
昨年、テスト車両であるYAMAHA YZF-R1のカウリング内側に、100mm×100mmのフィルムを貼ってA-B-Aテストを行いました。
この車両の最高速とも言える高速域において、データロガーで1%の速度向上が確認されました。
今年も継続してテストを行っていきます。
http://www.landmaster-japan.co.jp
年頭のご挨拶
新たな一年が始まりました。昨年は多くの新しい出会いがあり、多くの方に支えられ、多くの新しいチャレンジをしました。
まだ試験中ですが、新しい素材との取り組みも始まりました。
それから知的財産関連の整理にも力を注ぎました。
これらの事は、近い将来、当社の大きな財産になり得ると考えています。
昨年一年間は準備期間として大変重要な時間だったと言えるでしょう。
一方で、秋頃に製品化を考えていたものは、なかなか思うように作り上げることができず、未だ発売できていません。
製品化の難しさを、身にしみて感じている次第です。
会社は昨年12月を以て7期目を終えました。
おかげさまで順調に業績を伸ばしています。
決算のとりまとめはこれからですが、以前と比較すれば改善されてきています。
お客様やお取引先様のご支援の賜と感謝する次第です。
さて新しい一年ですが、引き続き知的財産関係の整理を行います。
そして新素材との取り組み、新製品の発表も行います。
レース関係では2輪でのサポートを昨年に引き続き行います。
他にもまだ新しいアイデアがあって、それらを現実としたいと考えていますが、その発表はもう少し先になります。
それから、ここ数年取り組んできた生命科学分野での取り組みも、今年は加速させます。
今年も、変わらぬご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
そして新しい一年が、皆様にとって素晴らしい一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
株式会社ランドマスター・ジャパン
代表取締役 金光利久